経営再建中の大手電機メーカーの東芝は、14日、アメリカの原子力事業の具体的な損失額と去年4月から12月までの決算を発表する予定でしたが、発表を先送りすることを明らかにしました。この理由として、新たにアメリカの原子力事業の会計処理をめぐって不適切な対応があったという内部通報があったためなどとしています。
東芝は、去年12月、アメリカの原子力事業で巨額の損失を計上する見通しを明らかにし、具体的な損失額と去年4月から12月までの決算を14日正午に発表するとしていました。
しかし、正午の段階で理由を明らかにしないまま発表を見送り、その後、午後2時半になって、14日の決算発表を先送りすることを明らかにしました。
この理由について、東芝は、アメリカの原子力事業の会計処理をめぐって、先月、新たに不適切な対応があったという内部通報が2回にわたってあり、追加の調査が必要になったためだとしています。
これを受けて、東芝の監査委員会は、内部通報の内容について、法律事務所を通じて調査を始めたということです。
東芝によりますと、この調査の過程で、原子力事業を手がけるアメリカの子会社、ウェスチングハウスの経営者から不適切な圧力があったとする指摘がさらにあったということです。
このため、東芝は、さらに調査を続ける必要があると、13日の午後の段階で判断したとしています。
東芝は、調査には1か月程度かかると説明していて、関東財務局に14日、決算の提出期限の延長を求めました。
-- NHK NEWS WEB