山梨県の中央自動車道、笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故から2日で7年です。現場の近くで追悼慰霊式が行われ、遺族などが犠牲者を悼みました。
平成24年12月2日、山梨県大月市の中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、4台の車が巻き込まれて9人が死亡、3人がけがをしました。
ことし現場の近くには2つの慰霊碑が建てられ、このうちトンネルの出入り口付近の慰霊碑の前では遺族や中日本高速道路の役員が事故が起きた午前8時3分に合わせて黙とうをささげ、花を手向けました。
このあとおよそ7キロ離れたパーキングエリア内に完成した慰霊碑の前に移動し、追悼慰霊式が行われました。
中日本高速道路の宮池克人社長が「亡くなられた皆様の無念さを重く受け止め、事故の尊い教訓を風化させることなく二度と事故を起こさないという深い反省と強い決意のもと、安全性向上に取り組んで参ります」と述べました。
続いて、弟の小林洋平さんを亡くした兄の俊介さんが遺族を代表し、「言われるがままに死亡届を書かされている父の背中、好物を自宅で作り、ひつぎの中に添えて見送る母の姿を私は一生忘れることはできません。事故の原因を明らかにし社会全体の老朽化する施設の安全管理を見直すきっかけになってほしい」と訴えました。
事故をめぐっては業務上過失致死傷の疑いで書類送検された中日本高速道路と子会社の当時の幹部など10人が不起訴とされたものの、甲府検察審査会がことし7月、当時、点検や保全業務にあたっていた職員2人については「不起訴は不当」と議決し、検察が再捜査を行っています。
-- NHK NEWS WEB