厚生労働省は、薬の市場価格が国が定めた価格を平均で8.0%下回ったなどとする調査結果を公表しました。政府は、来年度の診療報酬改定では「薬価」部分を引き下げ、社会保障費の抑制につなげたい考えです。
医療機関に支払われる診療報酬は、医師の人件費や技術料などに当たる「本体」部分と、薬の価格や医療器具の材料費に当たる「薬価」部分で構成され、来年度、改定時期を迎えます。
このうち「薬価」部分について、厚生労働省は、4日の中医協=中央社会保険医療協議会の総会で、ことし9月時点の薬の市場価格との差を調べた調査結果を示しました。
医薬品の入札をめぐり、先月末に談合の疑いが発覚した大手医薬品卸会社4社の取引データについては、急きょ、一部除外して再計算したということです。
それによりますと、薬の市場価格が国が定める価格を平均で8.0%下回ったほか、注射器など医療器具の材料費も平均で5.8%下回りました。
「薬価」部分は、市場価格に近づける形で見直すため、政府は、今回の結果を受けて引き下げる方針で、来年度予算案の編成では社会保障費の抑制につなげたい考えです。
また「本体」部分を含めた診療報酬の改定率は、今月中旬に決定する見通しです。
-- NHK NEWS WEB