ことしのノーベル化学賞の受賞者に選ばれた吉野彰さんが、スウェーデンのストックホルムでノーベル財団が主催する記者会見に臨み「私が受賞することは企業に所属する若い研究者たちを勇気づけるだろう」と受賞の意義を語りました。
日本時間の7日午後5時半からストックホルムにある王立科学アカデミーで行われた記者会見には、ノーベル賞の物理学と化学、それに経済学の受賞者、合わせて8人が並びました。
吉野さんと一緒に化学賞を受賞するアメリカのジョン・グッドイナフさんは欠席しましたが、吉野さんは同じく一緒に受賞するアメリカのスタンリー・ウィッティンガムさんと並んで席に着き、世界中の記者からの質問に答えました。
会見で、吉野さんたちが開発したリチウムイオン電池が社会に与えた影響について聞かれた吉野さんは「開発した1985年当時はスマートフォンやノートパソコンなどはなかった。リチウムイオン電池の市場がこれほど大きくなるとは予想していなかった」と述べました。
また、大学などではなく、民間企業の研究者としてノーベル賞に選ばれた感想を聞かれると「企業研究者である私の受賞は、企業に所属する若い研究者たちを勇気づけるだろう」とその意義を語りました。
そして、日本時間の8日行われる「ノーベルレクチャー」と呼ばれる記念講演に触れ、「環境問題についての私の意見やビジョンを世界に向けたメッセージとして話したい」と抱負を述べました。
-- NHK NEWS WEB