アフガニスタンで長年、人道支援と復興に力を尽くし、今月4日に銃撃されて亡くなった医師の中村哲さんが8日、成田空港に到着しました。空港には、日本で暮らすアフガニスタン人などが集まり、中村さんの死を悼みました。
銃撃で亡くなった中村さんは8日夕方、成田空港に到着し、一緒に帰国した妻の尚子さんと長女の秋子さん、それに日本の外務省やアフガニスタンの関係者などが、ひつぎの前に集まって黙とうをささげました。
空港の到着ロビーには、日本で暮らすアフガニスタン人など、約60人が中村さんの写真や日本とアフガニスタンの国旗などを掲げて集まり、中村さんの死を悼みました。
そして、茨城県で会社を経営し、SNSなどを通じて参加を呼びかけた48歳のアフガニスタン人の男性が「中村さんは多くの人の命を救った。私たちの心の中で生き続ける」とスピーチしました。
都内に住む留学生の男性(30)は「争いの絶えないアフガニスタンで、中村さんはヒーローでした。亡くなったと聞いたときは心が痛くなりましたが、アフガニスタン人がよい生活を送るために、自分も中村さんのように勉強を頑張りたい」と話していました。
神奈川県で会社を経営する42歳男性は「中村さんはアフガニスタンに“幸せの革命”を起こしてくれました。中村さんの生き方を胸に、アフガニスタンを平和にしていきたい」と話していました。
また、空港ではアフガニスタン大使館のバシール・モハバット駐日大使がNHKの取材に応じ、「日本人にお悔やみを申し上げたい。残念でたまらず、ことばも出ない。中村さんはすばらしい人で、アフガニスタンのために尽くしてくれたが、守れなかった。申し訳ない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB