金沢市の金沢市立病院で、患者や医師など1600人以上の個人情報が電子カルテの運用を委託していた会社の社員によって不正に持ち出されていたことが分かりました。今のところ情報の悪用は確認されていないということです。
金沢市立病院によりますと、患者の個人情報を不正に持ち出していたのは電子カルテの保守管理業務に当たっていた富山市に本社がある情報サービス会社「インテック」の50代の男性社員です。
この社員は患者1528人分と医師など病院職員144人分の氏名や住所、生年月日、性別などを印刷した紙を不正に自宅に持ち帰っていたということです。
病院によりますと、社員は2008年9月からおととし4月まで病院に常駐し個室でひとりで仕事をしていたということで、会社の聞き取りに対し、「裏紙をメモ用紙として利用するために持ち出した」と話しているということです。
この社員をめぐってはインテックの社内調査でおととし以降、富山県の高岡市民病院と砺波総合病院でも勤務し患者情報を持ち出していたことが明らかになっています。いずれの病院でも今のところ情報の悪用は確認されていないということです。
金沢市立病院の割田隆之事務局次長は「患者の情報が持ち出された事態を病院として厳粛に受け止めている。今後、個々の患者におわびするとともに監視カメラを設置するなど再発防止に努めたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB