アメリカ国防総省のクラウド事業をめぐって受注を逃した大手IT企業「アマゾン・ドット・コム」が、アメリカ政府を訴えている裁判で、アマゾン側は、「大統領による不適切な圧力の結果、契約できなかった」とトランプ大統領を非難しました。
アメリカ国防総省は、AI=人工知能を活用して各軍の情報を効率的に共有するための新たなクラウド事業「JEDI」をめぐって、ことし10月、当初、優勢とみられていた「アマゾン」ではなく、「マイクロソフト」と契約を結ぶと発表しました。
契約は、最大で100億ドル日本円で1兆円を超える規模で、受注を逃した「アマゾン」は、先月、アメリカ政府を相手取って訴えを起こし、9日までに書面を裁判所に提出しました。
書面によりますと「トランプ大統領は自分の政敵としているアマゾンのベゾスCEOに損害を与えるため、アマゾンと契約させないよう表と裏でさまざまな工作を行った」として、トランプ大統領の政治介入で契約を結べなかったと非難しています。
これに対して国防総省は適切な手続きを経て企業を選定したと反論しています。
トランプ大統領はこれまでもツイッターでベゾスCEOをたびたび攻撃してきたほか、マティス前国防長官の元側近が著書で、「トランプ大統領が去年夏、当時のマティス国防長官に、アマゾンを契約から外すよう指示したものの長官は従わなかった」と明らかにしていて、法廷闘争の行方に関心が集まっています。
-- NHK NEWS WEB