リニア中央新幹線の工事をめぐり、環境への影響を懸念する静岡県とJR東海の協議が難航する中、国土交通省は地域との共生をテーマにした勉強会を開き、長年、地域の理解を得る努力を続けてきた成田空港会社の取り組みを聞きました。
リニア中央新幹線の静岡県内の区間の工事をめぐっては、県が大井川をはじめとする水資源への影響に対する懸念から着工を認めておらず、開業時期に影響が出かねない状況になっています。
勉強会にはJR東海と成田空港会社の幹部のほか、国土交通省の鉄道局の担当者らが参加しました。
国土交通省によりますと、勉強会で成田空港会社は用地の取得や騒音問題で地域の理解を得るため、「地域共生部」という専門の部署を設け、地元への説明会を重ねてきたほか、空港周辺に窓口を5か所、設置し騒音などの相談を受け付けていることなどを紹介したということです。
JR東海の宇野護副社長は勉強会のあと、「いろいろな角度からコミュニケーションを取り、地域と長期の信頼関係を築いてきたことをお聞きした。今後、地域との連携、事業の推進に生かしたい」というコメントを出しました。
また国土交通省の水嶋智鉄道局長は「常に謙虚な気持ちを忘れず、地域社会と向き合うことが大切だ。地域からコミュニケーションが欠けていると思われると、リニアの早期実現と環境保護が両立しないおそれがある」と述べました。
-- NHK NEWS WEB