地球温暖化対策を話し合う国連の会議、「COP25」に出席している小泉環境大臣は、石炭火力発電の利用に対する批判が高まるなか、初日から複数のイベントに参加し、日本の取り組みをアピールしました。
スペインで開かれている「COP25」は、10日から各国の閣僚級による会合が始まっています。
会合を前に小泉環境大臣は「石炭火力発電に対する批判から逃げず、正面から向き合うことが今回、とても大事だと思う。そして日本も何もやっていないわけではなくできるかぎり前向きなメッセージを発したい」と述べ、批判を受け止めたうえで取り組みをアピールしていく考えを強調し、初日から複数のイベントに参加しました。
このうち、議長国チリのシュミット環境相が主催するイベントでは、自治体などが中心となって地域独自の送電線を整備し再生可能エネルギーで発電することで、大規模な災害時にも大手電力会社に頼らずに電力がまかなえる仕組みを普及させていることを紹介しました。
また、日本が設けたパビリオンでは、冷蔵庫やエアコンの冷媒として使われ、二酸化炭素より温室効果があるフロン類について、回収や処理の技術支援をベトナムやフランスなど7か国に対して行っていくことを表明しました。
ナイジェリアのNGOの男性は「日本は技術面で途上国の温暖化対策を支援してくれているが、石炭火力発電をまだ使っていることが残念だ」と話していました。
COPの初日を終えた小泉大臣は会見で、「日本の強みを発信することができた。これから交渉が本格化するが、とりまとめに向けて議長をできる限りサポートしていきたい」と述べました。
小泉大臣は11日、閣僚級会合で演説を行う予定で、どのようなメッセージを打ち出すのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB