アメリカと中国の貿易交渉は第1段階の合意に達し、アメリカ政府は、中国の輸入品に上乗せしている関税の一部引き下げを発表しました。ただ、合意の内容や今後の交渉については双方の認識にずれが見られ、貿易をめぐる対立が緩和に向かうのかは不透明です。
アメリカと中国の貿易交渉が中国による農産品の購入や知的財産権の保護などの分野で第1段階の合意に達したことを受けて、アメリカ政府は、中国の輸入品に上乗せしている関税の一部を引き下げると発表しました。
中国もアメリカの措置に応じて相応の対応をとるとしていて、今後、関税の引き下げが実施されれば、去年から応酬が続く関税措置はやや緩和されることになります。
ただ合意ついては、トランプ大統領が「中国が購入する農産品は年間500億ドルになる」と成果を強調しているのに対して、中国側は、農産品の購入額までは約束するものではないという立場を示すなど発表の内容に違いがあります。
また、アメリカが問題視している中国の国有企業に対する保護など先送りになった課題もあり、トランプ大統領は「第2段階の交渉をすぐに始めたい」と述べて、次の交渉に意欲を示しています。
これに対して、中国政府の高官は「まずは現在の合意を着実に進めることが急務だ」と述べて慎重な姿勢を示すなど、双方の認識にずれが見られ、貿易をめぐる対立が緩和に向かうのかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB