日本製鉄は、ほかの鉄鋼メーカーと共に進めてきたインドの鉄鋼大手の買収が完了したと発表しました。買収額はおよそ7700億円で、日本製鉄は今後、鉄鋼需要が伸びるとみられるインド市場を本格的に開拓します。
日本製鉄は17日に会見を開き、世界最大の鉄鋼メーカー「アルセロール・ミタル」と共に進めてきた、インド4位の鉄鋼メーカー「エッサール・スチール」の買収が完了したと発表しました。
買収額はおよそ7700億円で、日本製鉄が4割、アルセロール・ミタルが6割出資する合弁会社を通じて買収しました。
日本製鉄による海外の企業の買収としては、過去最大の規模となります。
鉄鋼業界は、鉄の原料となる鉄鉱石が高騰する一方、米中の貿易摩擦などを背景とした世界経済の減速で、自動車向けなどの鉄鋼製品の需要が減少し、厳しい経営環境が続いています。
インドは、鉄道や道路などのインフラ整備で今後、鉄鋼製品の需要が伸びるとみられています。
今回の買収で、日本製鉄は特に鉄鋼需要の高いインド西部で、鉄鋼製品の製造から販売までを一貫して手がけることができるようになることから、市場の本格的な開拓を目指すことにしています。
日本製鉄の石原秀威常務執行役員は「インドの成長を重要なチャンスとして取り込み、世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指していきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB