東日本大震災からの復興に向けて物流や観光の活性化につながると期待され、去年、就航した岩手県宮古市と北海道の室蘭市を結ぶ定期フェリーについて、運航会社が今年度末で運航を取りやめる意向を示していることが分かりました。
去年6月に就航した宮古市と室蘭市を結ぶ定期フェリーは、東日本大震災からの復興に向けて物流や観光の活性化につながると期待されているほか、北海道の胆振東部地震やことし10月の台風19号の際には、災害時の物資輸送などにも活用されました。
就航から1年間で乗船客は2万7000人と想定を大きく上回りましたが、収益の柱となるトラックの利用は3300台と想定の20%程度にとどまっています。
運航会社では、ことし4月から旅客運賃を4割値下げしたり、室蘭発の便については青森県の八戸港を経由するなど利用の拡大を図る対策を取ってきました。
しかし、宮古市などによりますと、運航会社から今月、宮古と室蘭間の運航を今年度末で取りやめ、室蘭と八戸の往復便に限って運航する意向が正式に伝えられたということです。
その理由について運航会社は、トラックの利用の伸びが低調で採算が合わないなどと説明しているということで、フェリーに関わる自治体などの関係機関では、今後の対応を検討することにしています。
-- NHK NEWS WEB