フィリピン中部の海域でおよそ30年前、4300人の死者を出して「史上最悪」とも言われている海難事故で、アメリカの調査チームが、事故を起こしたフェリーと小型タンカーとみられる船体を発見したと発表しました。
32年前の1987年12月、フィリピン中部マリンドゥケ島周辺の海域で、島々を結ぶフェリー「ドーニャ・パス号」と小型タンカーが衝突し、フィリピン政府の調査で4300人が死亡したとされて、「史上最悪の海難事故」とも言われています。
この事故について、アメリカの大手IT企業マイクロソフトの共同創業者、故ポール・アレン氏の財団の調査チームは19日、事故が起きた付近の海域のおよそ500メートルの深さの海底で、フェリーと小型タンカーとみられる船体を発見したと発表しました。
公開された映像では、2隻ともに船体の形を残した状態で沈没していて、フェリーとみられる船体では手すりのような構造物が壊れている様子を確認できます。
船体を発見した調査チームは太平洋戦争で沈んだ戦艦「武蔵」を発見したことで知られ、責任者は「われわれが太平洋戦争で沈んだ軍艦を探している時、多くの遺族からフェリーも探してほしいと頼まれた。この発見が遺族の心の安らぎにつながればよいと思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB