アメリカのトランプ大統領は、宇宙空間の軍事利用を進める中国やロシアに対抗するため、国防権限法案に署名し、アメリカに陸軍や海軍などと同格の宇宙軍が創設されました。
トランプ大統領は20日、アメリカ議会で可決された2020会計年度の国防権限法案に署名し、法律が成立しました。
この法律は今後の国防政策と予算の大枠を定めるもので、宇宙空間の軍事利用を進める中国やロシアに対抗するため、トランプ大統領が提唱した宇宙軍の創設を認め、予算総額は前年度より200億ドル余り多い、およそ7380億ドル(80兆円余り)となっています。
法律の成立によって、アメリカに陸軍や海軍などと同格の6つめの軍となる宇宙軍が創設され、まずはこれまで空軍で宇宙関連の任務についていた部隊から、およそ1万6000人が割り当てられるということです。
署名のあと、トランプ大統領は「画期的な偉業を達成した。アメリカに対抗できる国はどこにもいない」と自画自賛しました。
また、この法律には連邦政府の予算で、中国の国有企業から鉄道やバスの車両を調達することを禁止する条項や、ロシアの天然ガスをドイツやトルコに送るパイプラインの建設に関する制裁も盛り込まれるなど、中国やロシアへの対抗姿勢を鮮明にしています。
一方で、在韓米軍を削減する際には日韓両国と協議のうえ、議会に報告を義務づけるなど、政府に同盟国との関係の維持も求めています。
-- NHK NEWS WEB