静岡県沼津市の離島にある高級ホテルを運営していた会社が、裁判所から破産手続きの開始決定を受けたことが分かりました。フランスのシラク元大統領が宿泊したこともあり、負債総額はおよそ400億円に上るとみられます。
静岡地方裁判所沼津支部から破産手続き開始の決定を受けたのは、沼津市内浦重寺の離島にある「淡島ホテル」を運営していた会社です。
県弁護士会によりますと、ことし７月、債権者10人ほどが裁判所に破産手続きの申し立てを行い、20日に決定したということです。
負債総額は、およそ400億円、債権者もおよそ2000人に上るとみられ、債務の詳しい実態は把握できていないということです。
このホテルは、平成３年に開業した富士山と駿河湾の眺望が人気の会員制の高級ホテルで、亡くなったフランスのシラク元大統領が宿泊したこともあり、最近では人気アニメの登場人物の実家が経営するホテルのモデルとして、全国からファンが集まっています。
ホテルは去年、名古屋市の会社に譲渡され、営業を続けています。
県弁護士会は債権者などに向けて、今月25日と26日に無料の電話相談を行うことにしていて、電話番号は055−932−6750となっています。
県弁護士会消費者問題委員会の山本洋祐委員長は「相談を受けて情報を集め、対応策を考えたい」と話しています。
現在、運営を引き継いでいる会社は「今回の破産手続きとホテルの運営は無関係であり、今後もホテルの運営に影響はなく、これまでどおり営業していきます」と話しています。
-- NHK NEWS WEB
