アメリカで開発されている新型の有人宇宙船の試験の最終段階として20日、無人の宇宙船が打ち上げられました。しかし、宇宙船のエンジンが正常に作動しなかったため予定されていた国際宇宙ステーションとのドッキングを中止し、地球への帰還を目指すことになりました。
航空機大手、ボーイングが開発中の宇宙船「スターライナー」は、国際宇宙ステーションを目指して20日午前6時半すぎ、日本時間の午後8時半すぎに南部フロリダ州のケープ・カナベラル空軍基地からアトラスVロケットで打ち上げられました。
宇宙船は、打ち上げのおよそ15分後に切り離されましたが、エンジンが正常なタイミングで作動せず、予定されていた軌道に入ることができませんでした。
NASAとボーイングは打ち上げ後の記者会見で、宇宙船の時計に問題が生じたことが原因の可能性があるとしたうえで、宇宙船に十分な燃料がないため国際宇宙ステーションとのドッキングを中止し、当初の予定より早く地球に帰還させることを目指すと発表しました。
ただ、宇宙船は安定した軌道にあり、ほかの機器も正常に動いているとして、センサー付きの人形で打ち上げや着陸の衝撃を計測する試験などは引き続き実施するということです。
宇宙船は、日本時間の22日夜までにアメリカ南西部のニューメキシコ州の砂漠地帯に帰還させ、回収するということです。
-- NHK NEWS WEB