大手広告会社、電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労のため自殺して25日で4年になるのに合わせ、母親の幸美さんが手記を公表し、「若者たちがいきいきと働き幸せな人生をおくれる国になるように力を尽くしたい」と訴えました。
電通の新入社員だった高橋まつりさんは平成27年12月25日、過労のため自殺しました。亡くなって4年になるのに合わせて母親の幸美さんが手記を公表しました。
幸美さんは「クリスマスの朝、まつりはどんなに怖かっただろう。どんなにつらかっただろう。どんな思いで町を眺め、死を選んだんだろう。今もそのことばかり考え、すぐに駆けつけなかった後悔で胸が張り裂ける思いです」と、今も癒えることのない悲しみをつづっています。
また電通が去年、社員に違法な長時間の残業をさせたとしてことしになって労働基準監督署から是正勧告を受けたことを踏まえ、「不眠不休で業績を上げてきた社風は根深いものがあり、ひとりの社員が死んだくらいでは変わらないだろうという私の予想通りでした。今後決意を新たにして電通グループ全体の労働環境の改革に取り組んでいくことを希望します」とつづっています。
幸美さんは去年12月から国の過労死防止対策を考える協議会の委員となっていて、各地のシンポジウムのほか大学や高校の授業でも必要な対策などを訴えてきたとしたうえで「誰もが安心して働ける社会を作り、若者たちがいきいきと働き幸せな人生をおくれる国になるように、みなさんとまつりと共に力を尽くしてまいります」と結んでいます。
-- NHK NEWS WEB