石炭火力発電に対して国内外から厳しい目が向けられる中、九州電力は、火力発電で使う石炭の輸入で、LNG=液化天然ガスで動く運搬船を初めて導入することになりました。重油を使った運搬船と比べて二酸化炭素の排出量を削減できるとしています。
九州電力は25日、海運大手の日本郵船や商船三井と共同で会見を開き、火力発電所で使う石炭の輸入のため、2023年度、LNGで動く大型の運搬船2隻を導入すると発表しました。
導入する船は全長235メートルで、およそ9万5000トンの石炭を運ぶことができます。LNGを燃料とすることで従来の重油で動く船よりも二酸化炭素の排出量を30%減らせるということです。
LNGを燃料とする運搬船は、地球温暖化対策としてヨーロッパを中心に自動車の運搬などに使われていますが、九州電力によりますと、石炭の専用船は世界で初めてだということです。
石炭を使う火力発電に対して国内外から厳しい目が向けられる中、九州電力としては、新たな船の導入で、二酸化炭素の削減に取り組みたい考えです。
九州電力の池辺和弘社長は「石炭火力発電は資源の少ない日本では重要な電源であり、より二酸化炭素の排出が少ない発電に努めるとともに燃料の輸送でも削減していきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB