大丸や松坂屋を傘下に持つJ.フロント リテイリングは、ファッションビルを展開する傘下のパルコに対してTOB=株式の公開買い付けを実施して完全子会社化すると発表しました。
それによりますと、J.フロント リテイリングはおよそ65%の株式を保有するパルコに対して27日から来年2月17日にかけてTOBを実施します。
買い付け価格は1株当たり1850円でおよそ658億円を投じてすべての株式を取得し完全子会社化することを目指すとしています。完全子会社化によって両社はグループ内の不動産事業を商業施設の開発に強みを持つパルコに任せるほか、顧客情報を共有することでマーケティングなどの強化を図れるとしています。
パルコの8%余りの株式を保有する第2位の株主のイオンは今回のTOBに賛同していて、買収が成功すれば現在東証一部に上場しているパルコは上場を廃止するということです。
J.フロント リテイリングの山本良一社長は記者会見で「かつてないスピードで事業環境が変化している。関係をより深めることで意思決定のスピードを早めたい」と述べました。
また、パルコの牧山浩三社長は「グループがもつ一等地を活用できるようになるなど事業基盤が多角化しより多様な価値を提供できるようになる」と話しました。
-- NHK NEWS WEB