IR・統合型リゾート施設をめぐって秋元司衆議院議員が逮捕された汚職事件で、贈賄側の中国企業は当局の規制強化などの影響で去年まで4年連続で赤字の状態だったことが分かりました。この企業は日本のIRへの参入を検討しているほかの大手カジノ事業者に比べカジノ施設の運営実績もなかったということで、東京地検特捜部はIRへの参入を有利に進めるため担当の副大臣だった秋元議員に接近したとみて詳しい経緯を調べています。
自民党を離党した衆議院議員の秋元司容疑者(48)はIRなどを担当する内閣府などの副大臣を務めていたおととし9月、IRへの参入を目指していた中国企業の「500ドットコム」側から現金300万円などの賄賂を受け取ったなどとして収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
ホームページによりますと「500ドットコム」は2001年に設立され、インターネットを使ったスポーツくじなどの事業を手がけて急成長し、2013年にはニューヨーク証券取引所に上場しました。
しかしこの企業が証券取引所に提出した報告書によりますと中国当局がネットくじの事業の規制を強化した影響などから去年まで4年連続で赤字が続き、業績が大幅に悪化していたということです。
また、この企業は日本のIRへの参入を検討しているほかの大手カジノ事業者に比べカジノ施設の運営実績もなかったということで、特捜部はIRへの参入を有利に進めるため企業側が担当の副大臣だった秋元議員に接近したとみて詳しい経緯を調べています。
弁護士によりますと秋元議員は容疑を全面的に否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB