経営再建中の液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイが、稼働を停止している石川県の白山工場をシャープとアメリカのアップルに売却する交渉を進めていることがわかりました。
ジャパンディスプレイはスマートフォン向けの液晶事業の不振で厳しい財務状況に陥っていて、主要な取引先のアメリカのアップル向けに液晶パネルを生産している石川県の白山工場の稼働をことし7月以降、停止しています。
関係者によりますと、会社は、この工場をシャープに売却する方向で交渉を進めているということです。
また、工場の設備の一部についてはアップルが資金を出して買い取ることも検討されています。
今年度中の合意を目指していて、交渉がまとまれば、売却額は数百億円規模になる見通しです。白山工場は、アップルから返済が必要なおよそ1700億円の資金を事前に受け取る形で建設され、最新鋭の設備を備えた液晶パネル工場として3年前に稼働しました。
しかし、アップルからの受注が減って稼働率が低迷し、事前に受け取った資金の返済が重荷になっていました。
ジャパンディスプレイは、抜本的な経営再建に向けてシンガポールの資産運用会社から最大で900億円を調達することで基本合意していますが、白山工場の売却で財務をさらに改善できるかも再建の行方に影響を及ぼすことになります。
-- NHK NEWS WEB