かんぽ生命の不適切な保険の販売問題で、日本郵政グループは、日本郵政の長門正貢社長ら、グループ3社のトップが経営責任を取って来月5日付けで辞任すると発表し、巨大グループのトップ辞任という事態に発展しました。日本郵政の後任の社長には元総務大臣の増田寛也氏が就任します。
かんぽ生命の不適切な保険の販売問題で、日本郵政グループは日本郵政の長門正貢社長と保険の販売を担う日本郵便の横山邦男社長、それにかんぽ生命の植平光彦社長の3人が来月5日付けで辞任すると発表しました。
総務省の前の事務次官から行政処分の検討状況を聞き出したとされる、日本郵政の鈴木康雄上級副社長も辞任します。
一方、日本郵政の後任の社長には元総務大臣の増田寛也氏が来月6日に就任します。そして、日本郵便とかんぽ生命の後任の社長には、いずれも旧郵政省出身者が起用され、それぞれ、日本郵政の衣川和秀専務執行役とかんぽ生命の千田哲也副社長が就任します。
3社のトップはこれまで民間の大手金融機関の出身者が務めていましたが、3社とも、官僚出身者に代わることになります。
新たにグループの経営トップとなる増田寛也氏は68歳。当時の建設省出身で、平成7年から岩手県の知事を3期務め、いわゆる改革派の知事の1人として知られました。平成19年からは総務大臣を務めたほか、平成25年からは郵政民営化の進捗状況を検証する政府の郵政民営化委員会の委員長も務めました。
郵政事業に通じた増田氏のもとで、日本郵政グループは、不適切な販売で不利益を受けた顧客への対応や再発防止策の着実な実行に取り組むことになります。不適切販売の問題で失った信頼回復に道筋をつけられるか、問われることになります。
-- NHK NEWS WEB