かんぽ生命の保険の不適切な販売問題で、金融庁と総務省は27日、内部の管理体制に重大な問題があったなどとして、保険販売の業務を3か月間、停止するよう命じる行政処分を出しました。日本郵政グループに業務停止命令が出るのは初めてで、抜本的な改革を迫った形です。
発表によりますと金融庁は、かんぽ生命の保険の販売で、事実と異なる説明などをして顧客に二重払いの不利益を生じさせるなど、法律に違反する行為が認められたとしています。
そのうえで、営業現場で実現が難しいノルマが設定され、過度に重視された結果、問題が起き顧客の苦情や報道などにより問題の端緒を得ていたにもかかわらず十分に実態を把握せず、内部の管理体制に重大な問題があったと判断しました。
このため、かんぽ生命と日本郵便に対して保険販売の業務を来月1日から3か月間、停止するよう命じる行政処分を出しました。
ただ、地方などの顧客に配慮し、顧客が保険の契約を希望する場合は例外とすることにしています。
また、親会社の日本郵政を含む3社に対して、経営責任の明確化などを求めた業務改善命令を出し、業務改善計画を来月中に提出するよう求めました。
一方、総務省も事態を重く見て日本郵便に対して、保険販売の業務を3か月間、停止するよう命じる行政処分を出しました。
また、グループの内部管理体制に問題があるとして、日本郵政と日本郵便に対して、経営責任の明確化などを求める業務改善命令を出しました。
今回の行政処分をめぐっては、総務省の前の事務次官が日本郵政の鈴木康雄・上級副社長に対して処分の検討状況を漏らしたとして事実上、更迭されるという事態が起きていました。
日本郵政グループが平成19年に民営化されたあと、金融庁や総務省が業務停止を命じるのは初めてで、厳しい処分に踏み込むことで日本郵政グループに抜本的な改革を迫った形です。
-- NHK NEWS WEB