IR・統合型リゾート施設をめぐる汚職事件で逮捕された秋元司衆議院議員が、贈賄側の企業の招待で去年2月に北海道留寿都村を訪れた際、地元でIR参入を目指していた観光会社から海外の富裕層向けに飛行場を整備する必要性などについて説明を受け、その後、国土交通省の担当部署を会社側に紹介していたことが関係者への取材で分かりました。東京地検特捜部が詳しい経緯を調べています。
IRなどを担当する内閣府の副大臣だった衆議院議員の秋元司容疑者(48)は、IRへの参入を目指していた中国企業側から現金300万円の賄賂を受け取ったほか、去年2月には企業側から北海道留寿都村への家族旅行に招待され、およそ70万円相当の利益供与を受けたとして収賄の疑いが持たれています。
関係者によりますと、秋元議員は家族旅行の際に留寿都村でIRの誘致を計画していた札幌市の観光会社の負担で、この会社が運営するリゾートホテルに宿泊したとされ、留寿都村の場谷常八村長や北海道庁の幹部らとも面会していました。
そして秋元議員は、観光会社の担当者から海外の富裕層を呼び込むため、プライベートジェット機が発着できる2000メートル級の滑走路を備えた飛行場の整備や、札幌と留寿都村を結ぶトンネルを整備する必要性など、IR誘致に向けた地域の課題について詳しく説明を受けたということです。
当時、秋元議員は国土交通省の副大臣も務めていて面会のあと、観光会社側に国土交通省の空港整備の担当部署を紹介していたということで、東京地検特捜部は、当時の詳しい経緯について実態解明を進めているものとみられます。
弁護士によりますと、秋元議員は容疑を全面的に否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB