IR=統合型リゾート施設の事業をめぐって秋元司衆議院議員が逮捕された汚職事件で、贈賄側の中国企業の元顧問らが衆議院が解散される前のおととし9月、海外から1000万円を超える現金を航空機で持ち込みこのうち300万円を賄賂として秋元議員に渡した疑いがあることが関係者への取材で新たに分かりました。東京地検特捜部は中国企業側がIR参入のための政界工作を目的に多額の資金を持ち込んだ疑いがあると見て調べているものとみられます。
IRなどを担当する内閣府の副大臣だった衆議院議員の秋元司容疑者(48)はIRへの参入を目指していた中国企業の「500ドットコム」側からおととし9月、現金300万円の賄賂を受け取ったなどとして収賄の疑いが持たれています。
関係者によりますと、300万円が渡されたのは衆議院が解散されたおととし9月28日で、中国企業の元顧問らが選挙の陣中見舞いの名目で秋元議員に手渡したとみられていますが、元顧問らは、この直前の9月下旬に海外から航空機で1000万円を超える現金を国内に持ち込み、このうち300万円を賄賂として渡していた疑いがあることが新たに分かりました。
このころ、贈賄の疑いで逮捕された中国企業の日本法人の元取締役、鄭希容疑者(37)が「選挙資金の名目で金を配る必要がある」などと本社に伝えていたやり取りが電子データで残されていたということです。
東京地検特捜部は中国企業側がIR参入のための政界工作を目的に多額の資金を持ち込んでいた疑いがあると見て実態解明を進めるものとみられます。
関係者や弁護士によりますと、贈賄側の3人はいずれも容疑を認めていますが、秋元議員は容疑を全面的に否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB