経団連の中西会長は、ことしの春闘について、賃上げの継続が重要だとしたうえで、企業の競争力を発揮できるよう、新たな時代の働き方や人事制度について、労使間で議論すべきだという考えを示しました。
中西会長は、報道各社のインタビューで、ことしの春闘について「日本の賃金水準は先進国の中では劣後している。優秀な若い人たちが海外の企業で働きたいと思うのも事実なので、賃上げの勢いは決して失ってはいけない」と述べ、賃上げの継続は重要だとの考えを強調しました。
その一方で、中西会長は、「日本経済が国際的にも競争力を発揮できるような職場環境をどう作っていくかが重要だ。経団連が賃上げの目標を何%と示すことはもうあまり意味がない」と述べ、経団連としては、去年に続いてことしも賃上げの数値目標は掲げない方針を示しました。
そのうえで、ことしの春闘の労使交渉では、新卒一括採用や終身雇用など日本特有の雇用システムを見直すことも含め、新たな時代の働き方や人事制度について議論すべきだという考えを示しました。
経団連は春闘の経営側の指針となる報告書で、日本特有の雇用システムが「必ずしも時代に合わないケースが増えている」として、各企業に再検討を促す方針で、ことしの春闘では雇用の在り方をどう見直すかをめぐっても、活発な議論が交わされることになりそうです。
-- NHK NEWS WEB