日本のラグビー界にとって2020年は、去年開かれたワールドカップ日本大会をきっかけとした空前の盛り上がりを文化として根づかせるうえで勝負の年となります。
去年のワールドカップ日本大会では日本が1次リーグで優勝候補の一角のアイルランドや強豪のスコットランドに勝って史上初めてベスト8に進み、大会後、東京で行われたパレードにはおよそ5万人が集まるなど空前の盛り上がりを見せました。
2020年は、この盛り上がりを一時的なブームで終わらせず文化として根づかせるうえで勝負の年となります。
今月12日に開幕するトップリーグでは、3倍以上に増えたSNSのフォロアー向けの呼びかけを精力的に行うほか、試合会場周辺の企業に自由席のチケットと日本代表のグッズを一緒に販売する案内を送って地域のファンを増やすなどして、過去最多となる60万人の観客数を目指します。
開幕戦のチケットの売れ行きは好調だということで、ワールドカップで関心を持ったいわゆる「にわかファン」を定着させることがポイントになりそうです。
また国内ラグビーの活性化につなげようと進められている新たなプロリーグの設立の議論も、大きな影響を与えそうです。
日本ラグビー協会の準備委員会では現在のトップリーグも含めて1つのリーグとして来年秋の開幕を目指す方向で議論を重ねていくことを決めましたが、慎重な意見もあるのが現状です。
日本代表を象徴し新語・流行語の大賞になった「ONE TEAM」という言葉のとおり、関係者が一丸となって課題をクリアし、議論を加速させていくことが求められています。
-- NHK NEWS WEB