中東のレバノンに逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告が起訴されている特別背任事件に関連して先月、アメリカの司法当局が東京地検特捜部の要請を受けて元会長の息子や娘から事情を聴いていたことが関係者への取材で分かりました。息子が経営に関わっていた投資会社には元会長に還流した資金の一部が送金されていた疑いがあり、元会長の関わりなどについて説明を求めたということです。
中東のレバノンに逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告(65)はオマーンの販売代理店に日産から支出させた資金の一部をみずからに還流させ5億5000万円余りの損害を与えたとして特別背任の罪に問われています。
この事件に関連して先月、アメリカの司法当局が東京地検特捜部の要請を受けて元会長の息子のアンソニー氏や娘の1人から事情を聴いていたことが関係者への取材で分かりました。
元会長に還流した資金の一部はアンソニー氏が運営に関わっていたアメリカの投資会社に送金されていた疑いがあり、事情聴取には特捜部の検事も立ち会って元会長の関わりや資金の流れについて説明を求めたということです。
関係者によりますと、アンソニー氏は事情聴取に対し「投資会社の資金は父親の資産から送金されたものだったと思う」という趣旨の供述をしたということです。
また日産から元会長側に送金された資金は元会長らが使用していたクルーザーの購入費の一部に充てられたとみられていますが、娘からはクルーザーの運用実態などについて説明を求めたということです。
ゴーン元会長は日本時間の8日午後10時からレバノンで記者会見する予定で、一連の事件についてどのように説明するかも注目されます。
-- NHK NEWS WEB