IR・統合型リゾート施設をめぐる汚職事件で逮捕された秋元司衆議院議員が国内に整備するIRの数が議論になっていたおととし2月、内閣官房の担当者に、「法案にはIRの整備区域の数を具体的に書かず柔軟にしたほうがいい」などと伝えていたことが関係者への取材で分かりました。秋元議員はその直前、IR参入を目指していた贈賄側の中国企業側から整備区域の数を増やすよう要望されていたということで、東京地検特捜部は賄賂の見返りに便宜を図ろうとした疑いがあるとみて調べています。
IRなどを担当する内閣府の副大臣だった衆議院議員の秋元司容疑者(48)はIR参入を目指していた中国企業側から現金300万円の賄賂を受け取ったほか、おととし2月には北海道留寿都村への家族旅行に招待されおよそ70万円相当の利益供与を受けたとして収賄の疑いが持たれています。
関係者によりますとこの旅行の当時は国内に整備するIRの数が議論になっていて、北海道や沖縄でのIR参入を目指していた中国企業側は整備区域の数を増やすよう秋元議員に要望していたということです。
そして、旅行の直後、秋元議員がIR整備法案を担当していた内閣官房の事務局の担当者に「法案にはIRの整備区域の数を具体的に書かず柔軟にしたほうがいい」などと伝えていたことが関係者への取材で新たに分かりました。
法案の提出に向けた作業チームの議論は翌月のおととし3月から始まり、IRの整備区域の数について自民党が、「少なくとも4か所から5か所」と主張したのに対し、ギャンブル依存症対策を重視する公明党は2か所から3か所に限定するよう求め意見が対立していました。
東京地検特捜部は担当の副大臣だった秋元議員が中国企業がIRに参入しやすくなるよう便宜を図ろうとした疑いがあるとみて詳しい経緯を調べています。
弁護士によりますと秋元議員は容疑を全面的に否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB