2度の墜落事故を起こし、今月から生産停止を余儀なくされているボーイングの737MAXの胴体部分などを手がけるアメリカの大手メーカーが10日、2800人を一時解雇すると発表しました。航空機の生産停止が関係企業にも深刻な影響を与えていることが明らかになり、今後の広がりが懸念されます。
大量解雇に踏み切るのはアメリカ中西部カンザス州ウィチタに本社がある「スピリット・エアロシステムズ」で、本社の従業員1万5000人のうち2800人を一時的に解雇し、これとは別に希望退職も募る方針です。
スピリット社は売り上げが日本円でおよそ7000億円余りで、737MAXの胴体など機体全体の7割を手がけるボーイングの主力の取り引き企業です。
発表の中でスピリット社は、生産が再開されれば直ちに再雇用するとした一方で、「再開の見通しについてボーイングからは何の情報もない」としています。
2度の墜落事故のあと737MAXは世界で運航中止が続いていて、ボーイングは今月からは生産の停止を余儀なくされています。
地元のカンザス州では地域経済に打撃が大きいとして何らかの支援を検討するとしていますが、取り引き先の多い航空機の生産停止が関係企業にも深刻な影響を与えていることが明らかになり、今後の広がりが懸念されます。
-- NHK NEWS WEB