大手商社の伊藤忠商事はベンチャー企業と提携し、患者のすべての遺伝情報を調べる「全ゲノム解析」のデータを集めて、新薬の開発などに活用するデータベースの構築に乗り出すことになりました。
「全ゲノム解析」は、患者の遺伝情報をすべて調べて効果的な治療や新しい薬の開発につなげようというものです。
これについて伊藤忠商事は、遺伝子の解析を手がけるベンチャー企業と提携し、遺伝子のデータを管理するデータベースの構築に乗り出すことになりました。
今後3年をめどに、1万人規模の日本人の遺伝子データを集めて研究機関や企業に提供し、新薬の開発やかかりやすい病気を個人単位で見極めて、食生活を改善するサービスなどに活用できるようにする計画です。
伊藤忠と提携したベンチャー企業の社長で、筑波大学の佐藤孝明特命教授は「患者をはじめ、全ゲノム解析の意味を幅広く理解してもらい、多くの人が参加する取り組みにしたい」と話しています。
遺伝子のデータをビジネスに活用しようという取り組みは、電機メーカーの東芝やNECなども進めています。
ただ、遺伝子データは「究極の個人情報」とも言われるだけに、適切な管理や商業利用の在り方など、患者や家族の理解を得ながら事業を進められるかが課題になります。
-- NHK NEWS WEB