去年、早期退職や希望退職を募った企業が急増し、対象者の人数が6年ぶりに1万人を超えたことが民間の調査で分かりました。業績不振の企業だけでなく、黒字の企業が人員削減に踏み切る動きが目立っています。
民間の信用調査会社、東京商工リサーチによりますと、去年1年間に定年前に退職する社員を募る、早期退職や希望退職を行った企業の数は、前の年の3倍にあたる36社に増えました。
その対象者は1万1351人に上り、6年ぶりに1万人を超えました。
内訳を見ると、東芝や液晶大手のジャパンディスプレイなど、業績が振るわなかった電機機器関連の企業が12社と最も多くなりました。
その一方で、アステラス製薬やカシオ計算機など、直近の決算が黒字だった企業が全体の半数を占めました。
また、ことし以降に早期退職や希望退職を予定している企業9社のうち7社は黒字決算で、業績が比較的好調な企業が人員削減に踏み切る動きが目立っています。
これについて調査会社は「デジタル化の波が押し寄せ、構造改革を行う企業が増えてきたことが背景にある。経営体力のあるうちに人員の構成を見直す動きは今後さらに加速しそうだ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB