ネット上に出品した品物を個人間で売り買いできる「フリマアプリ」の利用者を狙った新たな詐欺の疑いです。アプリで購入した人に家電量販店から同じものが送りつけられ、代金を二重に請求されるなどのトラブルが少なくとも140件相次いでいることが分かりました。
今月に入ってSNS上に「フリマアプリで購入したのに、家電量販店から商品が届いた」という投稿が相次ぎました。
書き込みをした人などによりますと、「フリマアプリ」で出品されていたゲーム機などを購入したところ、出品者からではなく、家電量販店からその商品が送られてきたということです。
通常、「フリマアプリ」では不正行為を防ぐため、購入者が商品を受け取ったと確認しないと出品者に代金が支払われない仕組みになっています。
しかし今回は、出品者が架空の出品をしたうえで、購入を希望した人に家電量販店の通販サイトから同じ商品を送りつけたとみられていて、購入者が気付かずに受け取りの確認をしてしまうと、「フリマアプリ」を介して出品者に代金が支払われてしまいます。
このとき家電量販店の通販サイトへの支払いに利用されたのが、「Paidy」という後払いの決済サービスです。
このサービスは、メールアドレスと携帯電話番号を登録すれば利用でき、架空の出品をした人が期限までに払い込まなかったことで、代金は、商品を受け取った購入者に請求されることになりました。
「Paidy」の運営会社によりますと、こうした手口で身に覚えのない代金を請求されたという相談は15日までに140件に上っているということです。
運営会社は、詐欺行為が行われたとして不正が疑われる取り引きについてはサービスを停止したほか、家電量販店も「Paidy」を使った決済を取りやめるなどの対応を取ったということです。
国民生活センターは「フリマアプリ」の利用者間でトラブルが増えているとして「個人間の取り引きなので当事者間で解決をする必要があるということを理解したうえで、購入する際に疑問点があれば納得できるまで質問して、解消しておくことが必要だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB