去年の台風15号で送電用の鉄塔が倒壊したことを受けて、全国で24万に上る鉄塔がすべて点検されることになりました。
去年9月の台風15号では、千葉県君津市で高さ50メートルの送電用の鉄塔2基が倒壊し、大規模な停電の要因となりました。
専門家によるこれまでの検証では、鉄塔が海岸から近く急な斜面の山に立てられ、いくつかの条件が重なって風が増幅されたことが、倒れた原因だとされています。
このため、ほかの地域でも、条件によっては鉄塔が倒れる懸念があるとして、経済産業省は全国の電力会社にすべての鉄塔を点検するよう指示する方針を固めました。
鉄塔は全国で24万基に上りますが、立地の状況や保守についての記録を点検するなどしたうえで、必要があれば鉄塔の補強計画をつくり、ことし3月ごろまでに報告を求めることにしています。
このほか送電用の鉄塔をめぐっては、経済産業省が全国一律となっている強度の基準を、地域の実態に応じて改める方針で、台風の接近が多い九州や四国、それに千葉県などでは基準が引き上げられる見込みです。
-- NHK NEWS WEB