おととしカナダで逮捕された中国の通信機器大手、ファーウェイの副会長の身柄をアメリカに引き渡すかどうかを決める審理が20日、現地の裁判所で始まります。副会長をめぐる問題は、貿易摩擦をはじめとするアメリカと中国の対立の象徴とも見られていて、審理の行方が注目されます。
中国の通信機器大手、ファーウェイの孟晩舟副会長は、経済制裁を科されているイランと取り引きしたなどとしておととし12月、アメリカの要請によってカナダで逮捕され、その後、詐欺などの罪でアメリカ司法省に起訴されました。
孟副会長は保釈され、カナダ西部のバンクーバーの自宅で生活していますが、アメリカ側が求める身柄の引き渡しに応じるかどうかを決める審理が20日、現地の裁判所で始まります。
孟副会長側はこれまで、イランとの取り引きを禁じているのはアメリカで、カナダでは犯罪にあたらないと主張してきたほか、今回の逮捕は、貿易摩擦などを念頭に中国に対して優位に立とうというトランプ大統領の政治的な思惑に基づくものだとして、身柄を引き渡さないよう求めています。
アメリカと中国の主導権争いがハイテク分野でも続く中、副会長の逮捕は両国の対立の象徴とも見られていて、審理の行方が注目されます。
-- NHK NEWS WEB