大手建設会社の「前田建設工業」はグループ会社で道路の舗装などを手がける「前田道路」の株式の公開買い付けを実施し、子会社にする計画を明らかにしました。「前田道路」はこれに反発して「前田建設」との資本関係の解消を提案していて、同じグループの上場企業どうしが対立する異例の事態となっています。
発表によりますと、前田建設はグループのインフラ事業を強化するため前田道路に対して21日からTOB=株式公開買い付けを行い、861億円をかけて株式の保有比率を今の24%余りから51%に引き上げることを目指すとしています。
前田建設は先月、前田道路に株式の保有比率を引き上げて資本関係を強化する提案をしましたが、効果は見いだせないなどと否定的な回答があったということです。
しかし前田建設はグループの体制見直しは一刻を争う切迫した課題だとして、今回、TOBに踏み切ったとしています。
これに対し、前田道路は「相乗効果は見込まれず、公開買い付けの発表は一方的で突然に行われたものだ」などと対抗する姿勢を示し、前田建設が持つ自社の株式をすべて取得して資本関係を解消することを提案しました。
前田建設と前田道路は昭和39年に業務提携を結んでから50年以上にわたる関係を続けていますが、同じグループの上場企業どうしが対立する異例の事態となっています。
-- NHK NEWS WEB