大きな貨物船などが入港する岩手県の釜石港では、利便性が向上して利用する企業が東日本大震災の年の10倍に増えるなか、去年1年間のコンテナ貨物の取扱量は、前の年の1.2倍に増え過去最多となりました。
岩手県釜石市によりますと、去年1年間の釜石港での取扱量は、コンテナに換算して9292本で過去最多となりました。
これは前の年の1.2倍で、震災前の平成22年と比べると81.5倍に上ります。
背景には、平成29年に「大型クレーン」が導入され処理能力が一気に向上したほか、去年3月には、内陸と沿岸をつなぐ釜石自動車道が全線開通するなど、港や道路の整備が進み利便性が高まったことなどがあります。
企業にとっては、輸送時間の短縮やコスト削減の効果が期待できるため、釜石港を利用する企業は80社を超え、震災の年の10倍に増えました。
また去年8月には、食肉などの畜産物が輸出入できる「動物検疫港」に指定されたことなどから、ことしはさらに輸出入が伸びることが期待されています。
釜石市の国際港湾振興課は「引き続き企業訪問やセミナーなどで利便性をPRし、ことしはコンテナの数が1万の大台を超えるようにしていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB