今月末に迫るイギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱について、日本を訪れているポーランドの首相は、イギリスで働いていたポーランド人の帰国につながり、経験豊富な労働力として自国の経済を活性化させるチャンスになるとの見方を示しました。
ポーランドのモラウィエツキ首相は、21日、都内でNHKの単独インタビューに応じました。
この中で、今月末に迫るイギリスのEU離脱について、「離脱は残念だが、イギリス国民の決定を尊重する」としたうえで、「イギリスでは100万人近いポーランド人が働いているが、すでに何万人もが帰国した。ポーランドにとっていいニュースだ」と述べ、イギリスで働いていたポーランド人の帰国が、経験豊富な労働力として自国経済を活性化させるチャンスになるという見方を示しました。
そして、「イギリスに進出する日本企業はEU域内への移転を望んでいる。ポーランドは若くて優秀な人材が豊富だ」と述べ、国内への日本企業の進出に期待を示しました。
一方、地球温暖化対策をめぐって、電力の8割を石炭に依存するポーランドが、EUが掲げる温室効果ガスの削減目標に反対していることについては、モラウィエツキ首相は「石炭への依存は旧ソビエトの影響で、EUが掲げる目標達成には時間がかかることを各国は理解してくれている。私たちは二酸化炭素の排出を減らす努力をしている」と述べ、再生可能エネルギーの導入など取り組みを進めていると強調しました。
このインタビューはBS1の「国際報道2020」で、22日(水)午後10時から詳しくお伝えします。
-- NHK NEWS WEB