トヨタ自動車の労働組合はことしの春闘で、ベースアップや定期昇給などを含めた賃上げの総額として去年の妥結額を600円下回る1人当たり月額1万100円を要求する方針を固めました。ベアについては、一律での賃上げではなく、人事評価に応じて、差をつける新たな方法を提案する方針で、ほかの企業の労使交渉に影響を与えるか注目されます。
関係者によりますとトヨタ労組はことしの春闘で、去年に続き、ベアの要求額を公表せず、ベアや定期昇給などを含めた賃上げの総額として、1人当たり月額1万100円を要求する方針を固めました。
これは、去年の要求額を1900円下回り、労使の妥結額と比べても600円下回る水準です。
ベアについては、一律での賃上げではなく、5段階の人事評価に応じて配分し評価が高い社員への配分を厚くする一方で中堅クラスで評価が極めて低い社員はゼロにするなど、従来以上に差をつける新たな方法を提案する方針です。
またボーナスについては、満額回答だった去年を0.2か月分下回る、6.5か月分を要求するとしています。
トヨタ労組がこうした要求方針を固めたのは、自動運転や電動化の技術をめぐる開発競争が激しくなるなど経営環境が激変する中、組合としても危機感を示すねらいがあるものとみられます。
トヨタ労組は、来月上旬にこの要求方針を正式に決定することにしていて、こうした方針が、ほかの企業の労使交渉に影響を与えるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB