国連は、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏の携帯電話がサウジアラビアのムハンマド皇太子のSNSアカウントからハッキングされた疑いがあることを明らかにしました。殺害されたジャーナリストが寄稿していたアメリカの有力紙の報道に影響を与えるためオーナーでもあるベゾス氏の弱みを握ろうとハッキングを行った疑いがあるということです。
国連の特別報告者は22日、声明を発表しアメリカのネット通販大手のアマゾン・ドット・コムの創業者のジェフ・ベゾス氏の携帯電話がサウジアラビア当局からハッキング被害を受けていた疑いがあることを明らかにしました。
それによりますとベゾス氏とムハンマド皇太子は個人的に面識がありSNSでもつながりがありましたが、ムハンマド皇太子のアカウントからマルウエアと呼ばれる悪質なプログラムが送られ、携帯電話からデータが抜き出されていた疑いがあるということです。
ベゾス氏はアメリカの有力紙ワシントン・ポストのオーナーでもありますが、ワシントン・ポストではサウジアラビア人のジャーナリストでおととし殺害されたジャマル・カショギ氏がムハンマド皇太子を批判する記事をしばしば寄稿していました。
このため国連の特別報告者らは、サウジアラビアに関するワシントン・ポストの報道に影響を与えるため、オーナーであるベゾス氏の弱みを握ろうとハッキングを行った疑いがあると指摘しています。
これに対して、サウジアラビアのファイサル外相は、滞在先のスイスのダボスで「ばかげている。主張を立証する確固たる証拠はない」と発言し、反発しています。
-- NHK NEWS WEB