ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は堅調なアメリカ経済や、低金利が続くという安心感から値上がりを続けており、初めてとなる3万ドルの大台に迫っています。一方で株価は過剰に評価され、実体経済を反映していないのではないかという見方も出ています。
ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は去年秋以降、値上がり基調が続き、今月15日には終値で2万9000ドルを超え、初めてとなる3万ドルの大台が目前に迫っています。
株価が上昇を続ける背景にはアメリカ経済の底堅さと低金利が長く続くのではという投資家の見方があります。
2009年7月から始まったアメリカの景気拡大は今月で10年半と史上最長を更新しており、底堅い消費や低い失業率が続いています。
また去年夏から3回にわたり、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会による利下げが行われ、投資家の間では当面、こうした低金利の状態が続くという見方が広がり、投資意欲を支えています。
一方、「株価は過剰に評価されているのでは」という指摘もあります。その要因の1つとされるのが、企業が自社の株式を買う「自社株買い」です。
アメリカの主要な500社が自社株買いに使った総額は去年9月末までの1年間で7700億ドル余り、日本円でおよそ84兆円に上り、過去最高額だった前の年からはいくぶん減ったものの、高い水準となっています。
「株価は景気の先行指数」とも言われますが、急激とも言える値上がりに、「実体経済を反映していないのではないか」という見方も出ています。
-- NHK NEWS WEB