アメリカのトランプ大統領を罷免するかどうかを決める弾劾裁判は3日目の審理が開かれ、野党・民主党は「大統領の行為はアメリカ第1主義ではなく、トランプ第1主義だ」と述べ、大統領の「権力乱用」は明らかだと主張しました。全米に生中継される弾劾裁判を通じて、国民に大統領としての資質に疑義を投げかけるねらいがあるとみられます。
トランプ大統領の弾劾裁判は23日、3日目の審理が開かれ、前日に続いて検察官役を務める民主党の議員による「冒頭陳述」が行われました。
この中で民主党のナドラー下院司法委員長は、「トランプ大統領はアメリカの安全保障や自由で公正な選挙よりも個人的な政治的な利益を優先した。この行為はアメリカ第1主義ではなく、トランプ第1主義だ」と述べ、大統領の「権力乱用」は明らかで罷免に値すると主張しました。
アメリカの調査会社によりますと、弾劾裁判の初日には全米で1100万人がテレビで生中継された審理を視聴したということで、民主党は秋の大統領選挙もにらんで国民に大統領としての資質に疑義を投げかけるねらいがあるとみられます。
一方、トランプ大統領はツイッターに、「民主党の説明はうそだらけだ。魔女狩りだ!」と投稿し、民主党の「冒頭陳述」への不満をあらわにしました。
民主党側の「冒頭陳述」は3日間にわたって合わせて24時間が割り当てられ、その後、大統領の弁護団も最大で3日間をかけて反論する見通しで攻防が激しくなりそうです。
-- NHK NEWS WEB