アメリカのエスパー国防長官は、中国による最新の軍事技術の獲得に警戒感を示したうえでアメリカが官民一体となって中国に対抗する必要性を強調し、民間企業の協力を呼びかけました。
エスパー国防長官は24日、ワシントンで講演し、中国がアメリカとの軍事的な差を縮めるため、サイバー攻撃やスパイ活動などを通して最新の軍事技術を獲得していると警戒感を示しました。
そのうえで「アメリカは中国との戦略的な争いに向けて結束し、国をあげて取り組まなければならない。われわれの成功は官民一体の戦略次第だ」と述べ、宇宙や5Gなどの通信、それにAI=人工知能などの分野で民間企業の協力を呼びかけました。
この問題をめぐっては、ポンペイオ国務長官も先週、シリコンバレーで企業関係者を前に中国による最新技術の獲得に警鐘を鳴らす講演を行っていて、外交・国防を担当する両閣僚がそろって中国の脅威を強調し、アメリカの民間企業に協力を求めた形です。
一方、アメリカの一部メディアは中国の通信機器大手「ファーウェイ」に対する輸出規制をさらに強化するアメリカ商務省の案について、国防総省が反対していると報じました。
それによりますと、国防総省は「ファーウェイ」にはアメリカ企業も部品などを輸出しており、過度に規制をすれば売り上げが減少し、その結果、国防産業に関連する企業の研究開発費が減る事態を懸念しているということで、中国企業に対する規制強化の難しさが浮き彫りになっています。
-- NHK NEWS WEB