乳がんの手術後に乳房の再建に使う人工乳房が去年、副作用を引き起こすリスクがあるとして自主回収された問題について、患者と医師が今後の対応について話し合うシンポジウムが25日開かれました。
東京・港区で開かれたシンポジウムには、乳がんの患者や医師などおよそ100人が参加しました。
乳がんの手術後に乳房の再建に使う人工乳房をめぐっては、国内で唯一承認されていた製品に特殊な血液のがんを引き起こすリスクがあるとして、去年7月にアイルランドの販売会社が自主回収しました。
都立駒込病院の寺尾保信形成再建外科部長は「すでに使っている人は定期的に検診を受ければ大きく心配をする必要はないが、問題があれば、人工乳房を入れ替えることも検討してほしい」と呼びかけました。
また、患者団体からは900人余りの患者を対象にしたアンケート結果が示され、今回の自主回収の影響で37人が再建手術を中止し、18人が再手術で人工乳房を取り出していたということです。
去年10月には自主回収した会社が販売する別の製品が厚生労働省から承認されましたが、乳がん患者の40代の女性は新たなリスクが心配で再建手術を延期したままだとしたうえで、「安全性が確認された製品をもっと多く承認してほしい」と訴えていました。
-- NHK NEWS WEB