通信大手、ソフトバンクの元社員が機密情報を不正に引き出したとして逮捕された事件で、元社員が情報を渡したと供述している在日ロシア通商代表部の職員と飲食店などで接触を重ねていたことが捜査関係者への取材で分かりました。元社員は「現金をもらった」と供述していて、警視庁は飲食などを通じて関係を深めたとみて調べています。
ソフトバンクの元社員、荒木豊容疑者(48)は去年2月、会社のサーバーにアクセスし、電話の基地局など通信設備に関する機密情報を不正に引き出したとして、不正競争防止法違反の疑いで25日逮捕されました。
これまでの調べで荒木元社員は、在日ロシア通商代表部の50代の職員に情報を渡したという趣旨の供述をしているほか、警視庁はすでに帰国した元職員も関わった疑いがあるとみて、外務省を通じて出頭を要請しています。
その後の調べで荒木元社員は、ロシア通商代表部の職員と首都圏の飲食店などで複数回接触を重ねていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
荒木元社員は「職員から現金をもらったことがある。小遣いがほしかった」と供述していて、警視庁は飲食などを通じて関係を深め、機密情報の提供を求めたスパイ活動とみて全容の解明を進める方針です。
-- NHK NEWS WEB