中国で新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、上海の空港に着陸した直後に防護服姿の数人が機内に乗り込み、体温検査を受けたという日本人男性が、NHKの電話でのインタビューに応じ、当時の様子を話しました。
電話でのインタビューに応じたのは、上海で金属部品を作る会社を経営する56歳の日本人の男性です。
男性は、妻や小学生の息子と3人で、休暇先の東北部の瀋陽の空港を出発し、27日未明、上海の浦東空港に着陸しました。
すると、その直後に、防護服を着た医療関係者とみられる数人が機内に乗り込んできたということです。
そして、日本人男性より後方の座席にいた、中年くらいの男性の乗客のもとに向かい、話しかけたり体温を測ったりしていたということです。
男性の乗客はぐったりとした様子だったということです。
日本人男性によりますと、何が起きているのか機内のアナウンスはなく、別の乗客が客室乗務員に尋ねたところ、この客室乗務員は、発熱があり肺炎の疑いのある乗客がいて病院に搬送すると説明していたということです。
日本人男性や家族を含むほかの乗客も、機内で次々に体温検査を受け、着陸からおよそ1時間後にようやく機体の外に出ることが許されたということです。
日本人男性は「機内で時間が過ぎる中でいらだちが募り、状況を説明してほしいと思った。肺炎の疑いがあるという会話が聞こえてきて、機内の全員が隔離されるのではないかと不安がよぎった。搭乗前に厳重なチェックをしていたのにもかかわらず、なぜ、発熱した乗客がいたのか、不思議だった」と話しました。
-- NHK NEWS WEB