次世代の通信規格「5G」をめぐりアメリカが中国の通信機器大手ファーウェイの製品の排除を各国に求める中、EU=ヨーロッパ連合が新たな指針を発表しました。ファーウェイ製品の排除には踏み込まず、各国の判断に任せる内容となっています。
EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は29日、「5G」の通信網の整備に関する新たな指針を発表しました。
指針では参入企業のリスクを見極め、必要に応じて制限などの対応を取ることや、特定の1社に偏ることなく複数の企業を参入させることを促し、ことし6月までに具体策を示すよう求めています。
一方でアメリカが安全保障上の懸念があるとして各国に求めている中国の通信機器大手ファーウェイの製品の排除には踏み込んでおらず、各国の判断に任せる内容となっています。
ファーウェイ製品に関しては、EUの一部の加盟国がすでに通信網に組み込んでいて、比較的安価なファーウェイ製品を完全に排除すればコストがかさみ5Gの整備が遅れるという懸念が出ていました。
今回の新たな指針に先立ってイギリス政府はファーウェイ製品の部分的な使用を認めることを決めていて、排除を求めるアメリカとヨーロッパの国々との対応の違いが浮き彫りになっています。
-- NHK NEWS WEB