大手鉄鋼メーカーの「日本製鉄」は広島県の呉製鉄所の高炉を数年以内に休止する方針を固めました。合わせて呉製鉄所を閉鎖する方向で地元との調整に入ることにしており、生産体制を縮小して収益力の強化を図りたい考えです。
関係者によりますと、日本製鉄は子会社の「日鉄日新製鋼」が持つ広島県呉市の「呉製鉄所」の2基の高炉を数年以内に休止する方針です。
合わせて呉製鉄所を閉鎖する方向で、地元との調整に入ることにしています。
閉鎖する場合、およそ1000人の従業員については、配置転換も含めて検討することにしています。
国内の鉄鋼需要の拡大が今後見込めない中、日本製鉄は国内の製鉄所の再編を進めていてグループ全体で16ある生産拠点を、ことし4月以降、6つに集約することをすでに明らかにしています。
これに加えて、グループの中でも規模の小さい製鉄所の高炉の休止によって生産体制を縮小し、収益力の強化につなげたい考えです。
鉄鋼業界は、国内の鉄鋼需要が減少し生産能力が過剰になっているうえ、原材料価格が高止まりするなど、経営環境は厳しさを増しています。
収益力の強化は業界全体が直面する共通の課題となっており、生産体制の縮小の動きがほかのメーカーにも波及する可能性もあります。
-- NHK NEWS WEB