新型のコロナウイルスの感染拡大が続く中国では、死亡した人が57人増えて361人となり、患者の数は1万7000人を超えました。中国では3日、旧正月「春節」の連休が明けましたが、中国政府は感染拡大を抑え込むため、引き続き通常の業務を再開しないよう求めるなど、厳戒態勢が続いています。
中国の保健当局、国家衛生健康委員会は3日、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数が2日の発表から感染が最も深刻な湖北省などで、新たに57人増えて361人になったと発表し、2003年の新型肺炎「SARS」の中国での死者349人を上回りました。
患者の数は2829人増えて1万7205人となり、このうち症状の重い患者はおよそ2300人にのぼっています。
また中国以外ではフィリピンでも1日、中国人の男性1人が死亡しています。
中国では「春節」の連休が明け、本来なら3日から大勢の人が出勤し始めますが、北京や上海など各地の当局は感染拡大を抑え込むため、企業に対して業務の再開を1週間、遅らせることや在宅勤務にすることを求めていて、閑散とした仕事始めとなりました。
このうち首都・北京では地下鉄の駅や建物の入り口で体温の検査を行うなど、厳戒態勢が敷かれていて、ふだんは大勢の人が行き交う中心部のオフィス街も3日は全く人けがなく、飲食店も大部分が営業を控えていました。
マスク姿で街を歩いていた女性の1人は「家に何もなくなったので生活用品を買いに来た。ずっと家にいて気も晴れないしとても怖い。早く終息してほしい」と話していました。
一方、湖北省の武漢では新型コロナウイルスに感染した患者を専門に治療する2つの病院のうちの1つが完成し、3日にも患者の治療を始めることになっています。
しかし湖北省では、感染が確認された患者が2日、1日で2000人以上増えるなど、依然として医師や医療物資、医療施設が不足した厳しい状況が続いています。
-- NHK NEWS WEB