全国の病院からがんの診療情報を集めた、国内では最大規模のデータベースを、京都大学などが設立するベンチャー企業が運用することになりました。当初は7つのがん拠点病院が参加する予定で、より安全で効果的な治療に活用できると期待されています。
これは3日、京都大学とNTTなどが東京都内で記者会見を開いて発表しました。
新しいデータベースは、全国のがん診療を行う病院で電子カルテに入力された採血などの検査結果や詳細な治療情報、それに問診で聞き取った患者の体調の情報など、さまざまなデータを統合して管理できるということです。
運用は京都大学とNTTが共同で設立するベンチャー企業が行い、参加する病院には電子カルテの入力を行う専用のソフトを提供するということです。
データベースを使うことで、医師が最新の診療情報を参照し、治療に活用できるほか、製薬企業とデータを共有することで新薬の開発にも役立つということです。
当初は慶應大学病院など全国の7つのがん拠点病院が参加する予定で、今後、さらに病院数を増やし、国内のがんの患者の2割程度のデータ登録を目指すということです。
京都大学大学院医学研究科の武藤学教授は「患者は一人一人、状況が異なるので、個別のデータを詳細に分析し、比較することでよりよい医療につながると思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB